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タラコと明太子のいいところ発見レポ!

タラコや明太子は「コレステロールが高い」など
健康によくないというイメージを持たれ、
過度に敬遠されがちです。
しかし、イメージが先行しすぎて、
誤解されている部分が少なくありません。
実は、タラコや明太子にはいいところも
たくさんあります。
それらを女子栄養大学の上西一弘先生に
教えてもらいましょう!

私たちって
コレステロールが高いの?

そんなことはないですよ。
コレステロールが高い印象があるのは、食品成分表(※1)に記載されている100gあたりの数値がそのまま出まわっているせいかもしれませんね。
タラコや明太子の100gといったら、小ぶりのもの4本にも相当します。1回に4本も食べることは、そうないですよね。
大切なのは、「1回に食べる量」です。タラコや明太子の1回量は、小ぶりのもの1本(25g)程度が良いでしょう。
下の表1は、小ぶりのタラコ1本(25g)。小ぶりのタラコ1本は、卵1個のコレステロールより少ないんですよ。
そもそも、健康な人はコレステロールを厳しく管理する必要はありません。もちろん、コレステロールが高めの人は1回に食べる量に気をつけ、継続して食べないなど、食べ方を工夫してくださいね。

【表1】 タラコと明太子のコレステロール量
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より

食品 1回量(g) コレステロール(mg)
タラコ 25g(小1本) 88
明太子 25g(小1本) 70
鶏卵 1個(60g) 222

※1 食べものに含まれる栄養成分のデータベースで、文部科学省から公表されている『日本食品標準成分表』のこと。
肉や魚のように重量のあるものも、焼きのりのように軽量なものも、すべて100g単位で数値が表記されている。

塩分の摂りすぎって
言われちゃうんだけど?

コレステロール同様、塩分も「1回に食べる量」で考えるのが大切ですよ。
1回量に含まれる塩分は、表2の通り、約1gです。1日の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満なので、塩分過多に直結するほどではありません。1食でほぼ1日の塩分を摂ってしまうカップ麺と比べると、それがよくわかるでしょう?
それに、カップ麺はそれだけを食べることが多く、他の栄養素を摂らずに済ませる食事になりがちですが、タラコや明太子は、ご飯などと一緒に食べることが多いので、他の栄養素が一緒に摂りやすくなります。

【表2】 タラコと明太子の塩分相当量
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より

食品 1回量(g) 食塩相当量(g)
タラコ 25g(小1本) 1.2
明太子 25g(小1本) 1.4
カップ麺※ 1個(80g) 5.0

※日本食品標準成分表のしょうゆ味の値。特定の商品を指すものではありません。

EPAやDHAが摂れるってホント?

本当です!あまり知られていませんが、タラコや明太子には動脈硬化予防が期待できるEPAやDHAが豊富です(表3)。
健康目的でサプリを利用している人もいるでしょうけど、サプリに頼らなくてもタラコや明太子の1回量には、サプリ1日の摂取目安量に引けをとらない量のEPAやDHAが含まれているんです。
タラコや明太子を食べればサプリには含まれない栄養素がおいしくとれるのも魅力ですね。

【表3】 タラコと明太子のEPA、DHA
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より

食品 1回量(g) EPA(mg) DHA(mg)
タラコ 25g
(小1本)
130 150
明太子 25g
(小1本)
110 130
サバ 100g
(切り身1切れ)
690 970
イワシ 80g
(1尾)
560 728
若くて元気でいられる
注目成分セレンって?

「セレン」は抗酸化力が強いと言われている成分の一つです。同じく抗酸化作用があると言われているビタミンEやCもタラコや明太子には含まれるので、相乗効果が見込まれます。そうなると、老化防止の効果が期待できるかもしれませんね。
セレンの1日の摂取推奨量は、男性30㎍、女性25㎍です。
タラコの1回量(25g)が33㎍なので、それだけで1日の必要量が摂れたことになります。
ただしセレンの摂取量には注意が必要です。タラコや明太子ならセレンの過剰摂取になるほどは食べられないので、安心ですね。

今話題の「たんぱく質」も
豊富なの!?

意外かもしれませんが、タラコ(25g)で6g、明太子(25g)なら5.3gものたんぱく質が摂れます。実は豆乳1杯(150g)のたんぱく質より多いんです。1回の食事で約6gもプラスできるなんて、相当魅力的な食材ですよね。
たんぱく質は私たちの体をつくるために大事な栄養素です。特に高齢者はたんぱく質が不足すると、筋力が衰えてフレイル(※1)やサルコペニア(※2)に陥りやすくなるため、しっかり摂るようにしましょう。

※1 健康と要介護の中間に位置し、年をとることによる身体的、認知的機能が衰えた状態のこと。

※2 加齢に伴い筋肉の量が減り、筋力や身体機能が低下する現象。

毎日の食事に
どう摂りいれるのがいいの?

「タラコがあると、ごはんがたくさん食べられる」という人も多いでしょう。タラコや明太子はただ美味しいいだけでなく、ごはんを食べるアシスト役として食欲増進剤になるところも魅力の一つと言えるでしょう。
だから、食が細くなった人や高齢者には、うってつけの食材なんですよ。
それに、様々なレシピにもアレンジ自在です。スパゲッティと合わせるタラコスパは不動の人気ですし、じゃがいもと混ぜたタラモサラダもおいしいですよね。
1回の食べる量に気を付けて、体に必要な栄養をおいしく摂りいれましょう。

タラコ・明太子の25gのイメージです

タラコでも明太子でもOK!
おすすめの
お手軽和え物3種

タラコや明太子の特徴がわかったところで、
すぐにできる簡単レシピをご紹介

タラコ×かに風味かまぼこ

かに風味かまぼこを裂き、ほぐしたタラコと和える。青じそやみょうがなどの薬味を散らしても。そのまま食べるほか、そうめんのトッピングにするのもおいしい。

タラコ×クリームチーズ ON厚揚げ

ほぐしたタラコとクリームチーズを混ぜ、グリルかオーブントースターで温めた厚揚げにかける。焼いた食パンに塗るのもおすすめ。

タラコ×アボカド

アボカドは食べやすい大きさに切ってレモン汁をかけ、ほぐしたタラコと和える。クラッカーにのせたり、フォークで粗くつぶしてディップにしたりしても。

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1回に食べる量に気を付ければ、塩分もコレステロールも怖くないわね。必要な栄養素が意外と摂れるって…私たち実は優秀なのね。 旨味と塩気のある調味料として使うと、塩分控えめで栄養も摂れる一品になるね!アレンジメニューで楽しんで欲しいな。